真空管アンプ製作メモ(2)
倍電圧整流とケミコン
<ポンチ絵と写真は後で追加します>
・ケミコンのケースはマイナス側端子とつながっている。
・ダイオードやケミコンの極性(向き)を間違えない!
OTLアンプの出力管電源には倍電圧整流がよく使われる。拙設計製作OTLでもく使うが、次のような3つ方式が使われる。
(1)プラス・マイナス回路例
ー1 接地式
ー2 非接地式
(2)プラス側片電源回路例
(3)は(1)(2)を組み合わせた例
これらは、倍電圧整流方式と呼ばれるが、使用目的、トランスの電圧、必要とするDC電圧などによって使い分ける。
(1)プラス・マイナス(出力整流)回路
もっとも基本的な形である。
-1.接地式の場合は、ケミコン2か所ですむ。
-2. 非接地式(フローティング式)の場合は、ケミコン4か所必要になる、
出力側(スピーカ側)から見たDC電圧漏れは、
-1.有る(時にはスピーカーをとばすこともある)
-2.無い
製作上、回路の複雑さは、ー1<ー2、ー2の方がケミコンが4か所に増える分だけ複雑になる
この整流方式で注意することは、ケミコンの外側である。ケミコンはマイナス側がケースとつながっているから、そのためケミコンバンドの締め付け方によってケミコン外皮の絶縁をバンドが破ってマイナス側がシャーシアースされてしまうことになる。
特にマイナス電源側に使っているケミコンのマイナス側がバンドからアースされてしまうと重大な事故になる。これは製作当初大丈夫でも、10年20年と経過するうちにバンドが被覆を破ってしまうことがある。
当方が修理した他者製の古い真空管OTLアンプの中にこのケミコン事故があった、幸いフューズが飛んでくれたおかげで電源トランスの焼損は免れたが、原因発見に手間取ることになった.
ついでながら、小型ケミコンの場合でも、頭にケース面が出ているものがある、これにうっかり触ると感電するので、ビニルテープかシールを張って感電防止したい。
ポイント:
➀ケミコンのケースはマイナス側とつながっている。マイナス電源に使うときは絶縁テープを巻くなどの処置をしよう。
②ダイオードの極性(向き)に注意!
③ケミコンの極性に注意!