真空管アンプ製作メモ(10)

真空管アンプ製作メモ(10)

真空管パワーアンプのアースの取り方

 

アース母線方式

ポンチ絵をご覧ください

真空管ステレオパワーアンプのアースの取り方として、アース母線方式は良く知られ、この方式でしている方も多い。

アース点は、

・入力付近で取る場合と、

・電源付近で取る場合

があるが、ここでは入力付近で取る場合の典型的なやり方を3例考えてみる。

 

 

 

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例ー1:最も良く知られている例で、簡単に言えばアース母線を張り巡らせる方法。このようにしている方も多いと思うが、母線も細い物から太いものまであり、張り方も各人さまざまである。

 

例ー2:母線のL/Rを分ける方法で、L側とR側に各1本張ってアース点で結ぶ。この場合、電源のアースはL/R共通になっているので分けられない。したがって電源ケミコンのマイナス側から直接アースポイントへ持ってくる。

(この電源ケミコン付近でL/Rを一点アースする方法もある)

 

例ー3:最近近私がやっている方法で経験知、少し説明を加える

・母線はL/Rを分け

・出力管のカソード側アースは、各球のアース点から電源側ケミコンのマイナス側へ引っ張り

・OPT出力側アースはL/R各1本づつ直接アース点まで持ってくる(NFB信号とも関係する)

・アース母線はL/Rを別にして初段付近の一点アースで落とす

・増幅段のアースは各ステージごとにまとめ、信号順にL/Rそれぞれの母線に落とす

 

これで母線は信号アース(SG)のみとなり、電源アース(PG)や出力管信号、スピーカ信号(NFB)がアース母線を通らないようになる。

注意:例ー3の方法で音が良くなる、ノイズレベルが下がる、ということを保証するものではありません。

 

この三つの典型例以外のものもあり、母線の張り方やアース点の取り方は製作者により実にさまざまである。

 

MJ誌やRG誌には実態配線図や写真が掲載されているので参考にされたい。